朝ごはんは冷凍していたフランスパンで作ったフレンチトースト、プロテイン入りヨーグルト、冷凍して残っていたホットケーキ1枚。冷凍庫がパンパンになってしまったので在庫を減らすために食べた。が、食べ過ぎである（友蔵の声で）。
今日は母の墓参りのため高尾へ出発。GW、葬式と墓参りと通院しか予定がない。
高尾駅からほど近いところにある、母の眠る霊園はとにかくひらけたところにあり空がよく見えて綺麗なところだ。兄と父と甥っ子と四人で向かう。いつも立ち寄ってる石材店の花が100円値上げしたと父と兄が声を揃えて言っていて、親子だなと思う。墓を掃除して、新たにお花を供え、みんなで手を合わせる。父と兄と甥っ子は皆180超えの長身に細身でシルエットがそっくりで、DNAの強さを感じる。
わたしの両親は離婚している。母は離婚して旧姓に戻ったものの、結婚していた時の姓を名乗り続けていたおかげで母の家の墓に入るのは母の兄に断られてしまった。自前の墓ももちろんない。さあどこに納骨しよう、と兄とわたしが困り果てていたところ助け舟を出してくれたのが、元夫こと父だ。母は父方の祖父母が眠る父の家の墓に入っている。
本来だったら母は元夫の家の墓になぞ入りたくなかっただろうが、ここであれば管理も行き届いているし何より兄の家から近いのでこまめに来られる。残った家族が会いに来やすいところに入れて結果的には良かったのではないかとわたしと兄は思っている。父も「別れた時は揉めたけど仏様となった今では大事にしなくてはいけない」とのことで受け入れてくれた。ありがたい。仏教ありがとう。父の株急上昇だ。母にとっては勝手なことかもしれないが、なるべく墓参りに行くので許して欲しい。
「次はお盆に集まろう、YouTubeで法話を聞こう」と父が言う。父はここ10年で熱心な仏教徒になった。コロナ禍になって、YouTubeで読経動画をお盆に流したりしている。家でもYouTubeで法話をよく見るらしい。
兄の家に移動して、寿司をみんなで食べた。兄の家にはミニチュアダックスがおり、のぼるばりの「みんなの中心でいたいマン」だったのでかわいかった。人がいる間はひたすらはしゃぎ続けて、優しく撫でるとすぐへそ天になる。甥っ子と父はオーディオ関連の趣味が共通しているようで、食後は仲良くスピーカーのセッティングをしていた。父に「マイ電柱」っていうのがあるんでしょ、と話を振ったら楽しそうに話していた。
話の流れでやはりCOVID-19の話題。ここでわたしはやっと、父の口ぶりに違和感を抱く。「ワクチンで19人も関連死が発生している、おかしい。自分は打たない」、「亡くなっているのは高齢者ばかり、若者はほとんど無症状」、「感染者数には中国人がたくさんカウントされている」「マスコミやテレビは信用できない。ワクチンをとにかく打たせようとする」。うーん、これは…。
一概に間違ってもいないことも含まれているから、義理の姉と一緒に返答に困ってしまう。帰りの電車の中でも「5Gはコロナと関連があるので、詳しく調べないといけない」と鼻息が荒かった。びっくりして聞き返してしまった。
病気に関してだけ、いきなり違うフィルターがかかってる感じ。他のことであれば穏やかな受けごたえの父だ。
去年会った時にはそんなに違和感を持たなかったから、この半年で何かが進んでしまったのだと思う。父は普段一人暮らしでほったらかしにしているわたしにも責任があると思い、帰りの電車では父の関心ごとをいろいろ聞いてみた。聞くと、かなり偏りのある情報ソースがあるのは確か（YouTubeだろうか）だけど、自分でいろいろ調べるのも好きなのか、極論とそうでない一般的な所感が入り混じっていた。「コロナは風邪」とまでは思っていないようで、マスクは着用するし外出も控えているようだった。持病があるので、興味のある言論とは別に実際の行動としては現状の体調に基づいた慎重な対応をしているようだった。コロナに関しては頭の中は疑心暗鬼のようで、それはそれで辛いだろうと思った。
とにかく一人であれこれ不安になる時間が多いのは良くないから、もっと父と話す時間を作らないといけない。大いに反省した。
ただ今日は義理の姉ともゆっくり話ができて良かった。今後のことも兄や義理の姉に相談ができそうだった。
そういえば、兄の焼いてくれた餃子を食べていたら「○○（兄）の焼いた餃子を●●ちゃん（わたし）が食べてるなんてね〜」としみじみ義理の姉が言っていて、本当にそうだなと思った。一緒に暮らしていた期間が10年間しかないわたしたちは、兄妹40年目でやっと距離が縮まった。父に対しても兄に対しても、存在を少し忘れかけるぐらいの距離感だったのに。そういうこともあるんだというのが分かったから、歳をとるって悪くないぜ〜と思う。
