くもり。今日は春分の日。
昨日途中で起きてしまったこともあって寝不足だったので二度寝してしまう。元気だったら朝から活動して海を見に行ったり映画を観たりしたかった。前日の夜やたらイライラしたので、薄々そんな気がしていたが頭がどんよりずっしりの片頭痛が始まった。ロキソニン、アマージもあまり効かず寝込むほどではないけれど外に出る元気もなかったのでたらたらと家事をしたり、ゲームしたり家でゆっくり過ごした。実は今日は結婚記念日だったんだけど、夫は前日深夜まで仕事していたから夕方まで寝ていて、記念日ディナーはマックデリバリーで好きなものを食べるで終わった。わたしも体調が本調子じゃなかったから、家でゆっくりできて良かった。夫の仕事が落ち着いたらなんかおいしいものを食べに行きたい。
昨日届いたTHE FIRST SLAM DUNKのメイキング本をじっくり読む。とても面白かった。
まず、なんで今になってスラムダンクの映画を作ったかという話で、2008年に東映から打診があったことから始まっていたことに驚いた。東映のこの作品に対する熱量も凄まじかったのだなあ。
花道ではなくてリョータを主役にした理由も話されていて、それもなんだかしっくり来た。スラムダンク以降の作品作りを経て、花道の上り坂の成長ストーリーではない視点で作りたかったとのこと。原作の花道が主役である話こそスラムダンクと思っているファンにとっては「これはスラムダンクではない」という評価になるのも当然だし、井上先生も別物だと話していた。
わたしはあの映画のラストシーンは、「スラムダンクは今も続いている」というメッセージが井上先生のバスケ愛を投影しているように思えてすごく好きだったし、ある意味別の世界線でのスラムダンクを観れてよかったと思った。
モーションキャプチャーをもとに作った3DCGに井上先生が手書きで加筆したbefore afterの絵がたくさん載っているんだけど、加筆後の絵の説得力が凄い。バカみたいな感想だけど「めちゃくちゃ絵がうまい…!」と一枚一枚感動してしまう。モーションキャプチャーをしても、あくまでも素材にしかならずそのまま使えたのは1コマもなかったって衝撃だ。映画作り、大変すぎる。映画スラムダンクの絵の魅力は、リアルすぎないけど二次元でもない絶妙な調整の上で成り立っていたのだなあ。ウワ〜〜。
井上先生のロングインタビューがこの映画製作過程の過酷さを物語っていた。初めての映画作り、コンテを作り(漫画ではコマごとに大きさを変えて表現をすることができるけれど、映画では1コマ1コマが同じだったのでそれも大変だったって話にハッとした)、無数の手書きの修正作業…と気の遠くなるような作業を一つ一つ乗り越えて出来上がったのがあの作品だったのか。漫画制作と異なり映画では数百人のスタッフをまとめ上げる経験をして、「いかに自分が直感で漫画を描いていたか分かった、作品を多くのスタッフと作ることで言語化がうまくなった」「この映画を作ってまた絵が上手くなった」と話す井上先生のストイックさにぴよっと涙が出た。全ての経験が自分の作品に還元されるという考えがなかったらこんなこととてもやり遂げられない。
このロングインタビューは、スーパープレイヤーが大きな組織のマネジメントを経てまたレベルアップするというお仕事話でもあって、おいそれと自分が真似できるレベルではないけれどそういう目線で読んでもためになった。
リョータ編の元ネタの「ピアス」も読めて良かった。