5ヶ月ぶりに滋賀ダイハツアリーナに行く。今週末で昇格が決まっても決まらなくても、ホーム開催の試合はこれで終わりの可能性が高いので、現地で見届けたかった。2連勝したら日曜でB1への昇格が決まる大事な大事な試合。
朝、家を出発して駅に着いたところ総武線が人身事故で止まっている。おまけに東西線も運休の日なのでますます電車が来ない。何〜!?30分ほど待ち、結局新幹線の時間に間に合わなくなりそうだったので時間を変更する。変更も簡単なスマートEX、こういう時とても助かる。
なんとか品川に着いて、お気に入りのアトリエうかいでクッキー缶を買い新幹線に乗り込む。
車中で溜まった日記を仕上げたりSNSを眺めているうちにあっという間に京都着。5ヶ月ぶりの京都。
GW直後だからか京都駅の混雑はそこまででもなくて、スムーズに乗り換えてアリーナの最寄りである琵琶湖線の瀬田駅に到着。旧Twitterで散々見た駅前のチームの看板を見て「来たぞ〜!」とテンションが上がる。
バスに乗り、どんぶらこと山道を登りやってきたぜ滋賀ダイハツアリーナ。
今日は一階のメイン側(ベンチがある方と反対側、ショーが正面でよく見える)に初めて座ったのだがとても見やすくていい。
センターモニターの下の黒い部分には、ブースターたちからのメッセージがプリントされていて、眺めるだけでグッとくるものがある。
アップする選手たちを眺めながら、近江牛で有名な松喜屋で買った牛肉ばってらを食べる。緊張で食欲があまりなかったが、食べて元気を出そうと思って米と肉にした。
14時、レイクスチアのショーが始まる。ショーも真正面から見るとより一層迫力があり、素敵だった。
いよいよ試合開始。山形とは4戦4勝と相性がいい。ベル選手、フィンケ選手を中心としたスリーが得意な選手が複数人おり、外郭からの得点獲得に大きく編成を振ったチーム。
ただ、山形はQFで西地区2位の福岡を1敗のち2連勝で退けており、ディフェンスの強度、チームバスケの遂行力がかなり上がっていると思われレギュラーシーズンでの対戦成績のことは一旦忘れるべきでもあった。
1Qは相変わらず滋賀の動きが硬く、山形のワイドオープンからのスリーが決まり3Qまでは追いつきそうで追いつかずリードを許す展開。思うようにボールが回らずオフェンスができない場面が続きやきもきする。やはり強敵…。10点差以上ついた時は、滋賀は逆転勝ちがあまり得意ではないチームなので「もはやここまでか…」という気持ちもちらついた。
が、3Qの終わりから徐々に滋賀に試合の流れがやってきて、4Qにはついに田原選手のスリーで逆転する。それまでわたしも精いっぱい声を出して応援をしていたが、何だかんだ喉を潰さないように腹式呼吸を心掛けたりしていた。が、その瞬間は喉への気遣いが吹っ飛び絶叫してしまった。それもそのはず、田原選手は昨季まで山形に在籍していた選手で、その田原選手がベル選手とマッチアップして確度の落ちるタフショットに持ち込ませたり、さらにはチームにとって決定的なスリーを放ったのだ。最後の試練のように立ちはだかった古巣を乗り越えて勝利をつかみに行くという姿に興奮しないわけがない。
滋賀はもとよりブースターの声援が熱狂的なクラブではあるが、プレーオフ中かつ試合が佳境の際の声援は段違いだった。高音と低音が入り混じった地響きのような歓声に身体ごと包まれ、自らの感情もそのうねりに乗っかっていくような興奮を覚える体験はこれまでにもあまり経験したことがない。やばい。これがプレーオフか。
こうなると掴まえた流れを話さないのが滋賀の良いところで、ブースターの勢いそのままにGAME1は勝利。まだ昇格が決まっていないのに泣きそうだった。
試合の後は、知り合いの滋賀ブースターさんに食事に誘ってもらい、あたか飯店に行った。誰も知り合いのいないこの界隈で最初はただ黙ってTLを眺めていたわたしについに食事に誘ってもらえる日が来るとは…。
誘ってくれたYさんは、わたしが入院中に発売された川真田選手のTシャツを代理で購入しわざわざ自宅に送ってくれた人だ。直接やりとりもしたことがなかったのに、入院中のわたしに声をかけてくれた。今日やっとゆっくり話をしてお礼を伝えられたのでほっとした。しかもTシャツを代理購入する際に手伝ってくれたRさんという方もいて、その人とそのご家族とYさんの会に混ぜてもらえることになった。嬉しくって気持ち的には大きく尻尾をぶんぶん振る大型犬の気持ち。誰かとチームや試合の感想を話しながらごはんを食べたかったんだよね!
あたか飯店は浜大津にある老舗の中華料理店で、滋賀のスポンサー。選手がメニューを選びながらブースターからの質問に答えるインタビューをこの店内で撮っており、実際に選手が選んだメニューセットを頼むことができる。そのため滋賀の試合の後は、大体店内は滋賀ブースターでいっぱいになる。スポンサードの正しすぎる効果。
突然参加したにもかかわらずRさん一家も温かく輪に加えてくださり、食事は和やかにとても楽しくすごせた。嬉しかった…。
テーブルに乗り切らないぐらいの料理。大宴会!
名前だけは知っているブースターさんの話をいろいろ聞いたり、それぞれどういう経緯でチームが好きなのかという話を聞いたりしてあっという間に時間が過ぎた。途中、Rさんの息子さん(小学校低学年)にわたしが東京から来ている話をしたら、まっすぐな顔で「東京って、楽しい?」って聞かれてちょっと言葉に詰まったのは今思い返すと面白い。楽しい…よ…。
帰りはなんとRさん一家の車で宿泊先まで送ってもらってしまった。何から何まで良くしていただき、心がほかほかになってホテルの部屋に戻る。風呂に入ってさあ寝ようと思っても、試合もすごかったしその後の食事会も楽しかったので夜中までなかなか寝付けなかった。幸せな日。
狭いけど快適なホテルだった。
2024/05/12
さあ決戦の日だ。今日決めたら今日で昇格。山形戦GAME2。
ホテルの朝食を食べていたら、山形のチームTシャツを着たブースターさんがいたのでハッとなる。わたしはチームTは着ていなかったが、実物より大きい顔がプリントされている川真田選手のTシャツを着ていた。遠征すると良くあるシチュエーションなんだろうな。場合によってはチームと同宿になって、男性の場合は大浴場で鉢合わせてものすごく気まずいという話を昨日聞いたばかりだ。
朝ごはんは和食を中心に食べた。おいしかった。
早めにチェックアウトして、地元のスーパーに行ってみようと平和堂系列のフレンドマートというスーパーに行ってみる。サラダパンがあったら買ってみたかったのだが、なかった。でも滋賀県産のちょっといい醤油が売っていたので買ってみた。
駅に向かい、草津で降りて今度は近鉄でお土産を買う。なんだか荷物がすごいことになってしまった。雨も降りだしてきた。
やっと瀬田に向かい、昨日と同じくバスで滋賀ダイハツアリーナへ。昨日は1階のメイン指定席だったが、今日は席が取れず2階のベンチ裏。
でもここはここで俯瞰で試合が見やすいし、安い(2000円)し、気楽に見られていいなと思う。周りはほとんど家族連れで、わたしも地元のチームを応援できたらいいのになと100回ぐらい思ったことをまた思った。
例によって緊張で食欲があまりなかったが、夜まで食べられないだろうとカツサンドを無理やり食べてるうちにtip off。今日はもう、昨日のMAX声援が最初からある。みんな「昇格するぞ」という気合が入りまくっている。今日は追加発売された立ち見含めて完売。昇格の瞬間、見届けたいもんね。
今日は昨日と打って変わって滋賀が得意なトランジションバスケが展開。ポゼッションの多い、早いバスケ。オフェンス・ディフェンス共々リバウンドを取り、インサイドを制圧。ディフェンスも昨日より強度が上がり、昨日ような気持ちよく打たせるスリーがほとんどなかった。いい修正してきたなー!!!と気持ちがブチ上がる。10点差で前半終了。
3Q、滋賀のファウルが重なり、クリーナー選手がファウル4つ、テクニカルも取られて場内大ブーイング、という瞬間があった。点差も6点まで溶かされている。やばい流れ…と思ったが、ラベナ選手のスリーを皮切りに選手たちは取られたファウルをプレーでやり返しあっという間に8‐0のラン。ここで勝負が決まった感じがあった。ファウル連発、声援の大ボルテージからのランの流れめ~ちゃくちゃ気持ちよかった。
また、今日は野本選手がここに来て大爆発したのも涙を誘った。特別指定選手で加入し今は滋賀で最長在籍選手になっているが、今シーズンは調子が上がってきたところでの怪我の離脱があった。プレーオフから復帰したものの、なかなか本調子にならず苦しそうな試合が続いていた。そんな野本選手が今日はドライブからのレイアップ、スリーを次々と決める。いつもは試合のクロージングのハンドリングはラベナ選手が行うが、ハンドラーを野本選手に預けているのもまた泣けた。嬉しかった。
最後は、去年の降格時にチームに在籍していた柏倉選手、野本選手、川真田選手、森山選手がコートに出て試合終了。97-74の快勝だった。プレーオフ決勝に進むと同時に、ついに昇格した。チームとして目標に掲げていた最短でのB1復帰がかなえられた瞬間。
試合終了後には選手たちへのサプライズ演出があった。有志による「B1復帰」のボードが2000枚以上印刷され、座席に配布されていた。試合終了時に皆立ち上がってボードを掲げた瞬間を写真に撮っておきたかった。ボードを掲げつつ、涙で前が滲んでしまってカメラを持つどころではなくなってしまった。選手たちも喜んでくれて本当に良かったと思う。
これは試合終了後に涙が止まらなくなったキャプテンの柏倉選手の様子なんだけど、途中流れるトップガンアンセムがぴったりで見るたび涙腺を刺激される。
トップガンマーヴェリックもGet backの物語だもんね…。
1シーズンでのB1復帰が叶った瞬間
— 滋賀レイクス SHIGA LAKES (@shigalakestars) 2024年5月12日
張り詰めていたものが溢れました!
今季最大の応援、最高のホームコートアドバンテージと共に!!#GetBack #FinishTogether #滋賀一丸 #滋賀レイクス pic.twitter.com/r8iVmxoK5b
頭が完全にぽやぽやになりながら帰ろうとしたところ、同時に行われているもうひとつのセミファイナルであるアルティーリ千葉と越谷アルファーズの試合で越谷が勝利したことを知りものすごく動揺する。アルティーリ千葉はレギュラーシーズンを56勝4敗という9割以上の勝率で勝ち抜き、頭二つ三つ以上抜けた強さと評されていたのだが、プレーオフで越谷アルファーズが2連勝し越谷アルファーズがB1昇格を決めたのだった。レギュラーシーズンの結果はプレーオフへの出場およびホーム開催権獲得にしか影響を及ぼさず、あくまでプレーオフの決勝に進んだ2チームが昇格となるというのは厳然としたレギュレーション。しかしこんなことがあるんだな…と言葉がない。アルティーリ千葉にはボコボコに負けたこともあるし、チームのデザイナーによる他チームを見下す発言があったりとB2きってのヒールとして名を馳せていることもあり、応援をしているわけではなかった。でも、選手たちがものすごく頑張って結果を出してきたことと熱心なファンがいることは事実。そんな彼らに突きつけられる結果の残酷さにわたしもショックを受けながら東京に帰った。これがプレーオフか…とまた昨日と一味違う感想を抱く。
やっと新幹線に乗り込み落ち着いたので、ささやかに乾杯。歓喜に溢れるTLを眺めつつ東京へ。
帰宅すると23時前で、もう、ヘトヘト。やりきった週末お疲れ様!!楽しかった〜。