20240213-20240218 入院の記録(前編)

  • 2024/02/13 入院前日

在宅勤務。仕事が落ち着いていた日だったので、突発的な業務が発生せずに済んでよかった。上司に挨拶し、定時で終了。

夜、夫に改めて入院と手術のことを聞かれたので説明したりして過ごす。

  • 2024/02/14 入院1日目

入院は午後からのため、洗濯をしたり、当日詰める荷物を準備したりなどして過ごす。落ち着いているようでそわそわしていたのか食欲がバグってしまい、昼ご飯を食べ損ねたまま出発。荷物はキャリーバッグ、大きめのトートバッグ、リュック。ティッシュなどがかさばるので大荷物。

余裕をもって家を出たはずが荷物が多くて歩くのが遅かったりなんだりで時間ぴったりに病院に到着。これまで入ったことのない病棟に足を踏み入れる時は緊張した。

部屋は大部屋。窓際だった。

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ベッドのほかにキャリーのついた棚がついている一般的な病室。荷物を使いやすいようにしまったり、売店に必要なものを買いに行ったりなどして過ごす。病棟の看護師さん、麻酔医、オペ室の看護師さんが入れ代わり立ち代わりやってきて説明。既往、持病の確認が何度もされる。麻酔科の先生に、全身麻酔後の吐き気に対する制吐剤について質問。最近承認された効果の高い新しい制吐剤(オンダンセトロン、グラニセトロン)をこの病院では導入しているか尋ねたところ、導入しているとのこと。使ってはいるものの、一定数の患者さんは吐き気に悩まされているようだ。あまり期待しない方がいいな。

オペ室の看護師さんとの話では、片頭痛のことをやたら聞かれるのでなんだろうと思ったらその方も片頭痛で悩んでいるらしい。片頭痛予防の注射剤に興味があるようだった。頭痛外来は未受診とのことだったので、とりあえず頭痛学会の専門医のいる病院で診察を受けてみることを勧めた。頭痛の日数によっては内服の予防薬が適用になって痛みをコントロールできることもあるから、試してみてほしい…。片頭痛つらいよね。楽になりますように。

夕方診察に呼ばれ、手術で動かす顎の骨の移動量などの最終的な説明を受ける。

夕食は最初で最後の通常の食事。鮭の南蛮風など。バレンタインだったのでデザートはチョコレートムース。

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ありがたくいただく。しみじみとおいしかった。

夕食後、主治医がやってくる。明日手術の前にCTを撮りたいとのこと。急だな~。まあいいけど。

夜は普通に眠れる気がしなかったので、睡眠導入剤を処方してもらう。何の薬だろうと思ったらレンドルミンだった。睡眠導入剤を飲むのは何年ぶりだろう。薬のおかげでよく眠れた。

  • 2024/02/15 入院2日目(手術日)

6時に起こされる。絶飲かと思いきや、7時までは飲水可能。昨日渡された、経口補水液のような物を朝ごはん代わりに飲む。看護師さんの説明では「たんぱく質とかとったほうがいいですからね」とあったが、パッケージを見たらたんぱく質0だったので笑った。

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手術着に着替え、血栓予防のためのメディキュットのような着圧靴下、T字体(おむつ的なもの)を履く。

8時ごろ、診察に呼ばれる。その後、若手の担当医が病室にやってきて、点滴のルートをとり始めたが完全にてこずっている。嫌な予感。この予感は手術後的中していたことを知る。

手術は9時からだったが、9時に放射線科へCTを撮りに行く。戻ってすぐ、手術室へ。手術室の前でスタッフさんが「あっ来た来た~!間に合ったね!!」と声をかけてくれて手術RTAのようなバタバタ感。おかげで緊張がほぐれた。

手術室に入って、手術台へ。昨日片頭痛の話をした看護師さんの顔も見れてホッとする。手術台に横になるとあたたかいブランケットをかけてもらい、全身がふわっとリラックスするのを感じる。全身麻酔中は体温も下がるから温めるんだろうな。酸素マスクをかけられて、吸い込むと軽くむせた。「点滴から眠くなる薬を入れますね」と言われたところでバツンと意識が途切れた。映画でよくある、主人公が不意に襲われて意識を失いブラックアウトするのによく似ていた。

次の瞬間は手術が終わって、麻酔医に「手術が終わりましたよ」「この動作はできますか?」とあれこれ聞かれる。朦朧としながらも反応できたようで、人工呼吸器の挿管が解除になった。これはまともに意識があると苦しすぎるやつ。まだ経鼻のチューブと口腔内の傷口につけたドレーンがついている。左右の腕には点滴。点滴は最初のルートはやはり失敗したらしく別の個所に取り直し、さらに保険で反対側の腕にもルートが取られていた。最初のルートはひどい内出血。あちゃー。

手術が終わってすぐ、麻酔が切れてきたのか痛みが強くなってきた。朦朧としながら、頭の中でアンパンマンの頭が膨らむイメージ。NRS(Numerical Rating Scale)でいうところの8~9/10ぐらい。破裂しそうに痛いということだったんだろうか。声を絞り出して「痛いです…」と看護師さんに伝えると即座薬を追加してもらえた。痛みが落ち着くと、痰が大量に発生して息ができなくなりそうになる。そのたびにナースコールをして吸引してもらった。苦しかった。しかし、一番懸念していた全身麻酔の副作用である吐き気がないことに気がつき、思わずガッツポーズ。ありがとうオンダンセトロン!!!!!!!!!!!

意識もはっきりしてきたところで、胃洗浄して経鼻のチューブは抜去。うれしい!!!!痰の吸引は自分で行うようになり携帯も触ってOKになった。時間を見たら18時半。9時半前に開始して、もうこんな時間か。夫に手術が終わったことを連絡する。ひどい状態だが自撮りして送り付けた。割と手術直後としては元気な方だと看護師さんにも言われた。

手術の後はHCUで一晩過ごしてから病室へ戻る。夜には飲水もOKになった。導尿カテーテルが解除されるのは翌朝なので、ベッドからは動けない。38℃程度の発熱をしていたので、ひたすらクーリングしてもらう。あと貯血していた自分の血を返血してもらった。あとで出血量を聞いたら31mlだった。かなり少ない。出血量の多さが術後の辛さに直結するようなので、先生ありがとう……。

もともと当日はろくに寝られないと思っていたので30分ずつうとうとしたぐらいだったが、そんなものだろう、むしろ予想よりはるかにましな状態だと思った。頑張ったねわたし、死ななくて良かった。

  • 2024/02/16 入院3日目(術後1日目)

朝になって、バイタルのモニター類が外れ導尿カテーテルも抜去。歩行できるかチェック。割と普通に歩けたが、ベッドに戻ったら突然吐き気がやってきて初めて嘔吐。歩くことで患部から血が胃に落ちて、胃液と反応して吐き気が生まれるらしい。あと立ち上がっただけで鼻血が出る。

朝食から経口での食事が開始。

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といってもメイバランスやスープなどの液体のみ。ピンクの容器に入っているミルク味のような、でもなんとなく塩味も感じる謎の液体の味がすごかった。とにかく早く回復したかったので無理やり飲んだ。飲めない味ではないんだが、謎の味だった。

その後、パジャマに着替えて病室に戻る。わたしは元気な方だったので、介助なしで普通に歩けた。

病室に戻ってからは、液体の食事→うがい→看護師の体調チェック→うとうと→液体の食事→うがい→看護師の体調チェック→うとうと という風に時間が過ぎていった。

痛みはかなり強く、NRS:7/10ぐらい。体温も38℃弱が続く。痛み止めとしてロキソニン(粉薬になっていた)、患部の麻痺のためにビタミンB12のメコバラミン(粉薬)を一日三回服用。やや鼻詰まりをしていて息苦しいが、鼻呼吸ができないわけでもなかったのでまだましだった。完全に詰まってしまう人が多いようで、ここでみんな苦しむと言う。

  • 2024/02/17 入院4日目(術後2日目)

朝の診察でバイトプレートを装着し、ゴムかけが始まった。上の歯でバイトプレートを噛んだ状態で下の歯を合わせてゴムを5か所で固定。いわゆる顎間固定。ワイヤーでがっちりやるのかと思ったらゴムかけだったのでうれしかった。朝昼は前日のディストピア飯で、同じく気合で完食。痛みはNRS:6~7/10。顔の下半分がとにかく痛い。携帯で友だちや家族とやりとりはできても、動画を見る元気はなく、ラジオを聞き流すぐらいがちょうどよかった。ありがとうラジオ。特に聞きなれている「生活は踊る」のちょうど良さったらなかった。

この日点滴も全て終わったので、ルートごと外れた。夕方には口腔内のドレーンも外れ、シャワーが解禁になった。ドレーンを外す時に傷口から膿?を出すのに強く圧迫されて痛くて笑ってしまった。「小顔矯正みたいなエステってこんな感じですかね」と先生に聞いたら笑っていた。顔が見たことないぐらい腫れており、顔を洗うのも痛かったがシャワーはとにかく嬉しかった。

夜から、極々刻み食と七分粥に代わり、歓喜する。

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ごはんおいしい~~~。

段々と人間の生活を取り戻してきた。ただ、夜は痛みのせいでまともに寝られずとぎれとぎれに悪夢を見続けた。

  • 2024/02/18 入院5日目(術後3日目)

朝、頭痛で目が覚める。数日コーヒーを飲んでおらずもしかしてカフェイン切れだろうかと思い当たったので自販機でコーヒーを買い飲んだら落ち着いた。前日まではまともに使えなかったストローがちゃんと吸えるようになって、小さなことながら回復を感じてうれしくなる。

食事は引き続き極々刻み食。休憩しながらでないと食べきれないが、気合で完食。しかし疲れる。トレーを戻しに行って一度休憩、歯磨きをしに行って一度休憩、という感じで休み休み過ごす。

歯磨きの時に顔をまじまじと見ると、腫れと内出血が大爆発していて特殊メイクのよう。

痛みはNRS:4~5/10。前日よりかはまとまった時間眠れて良かった。

入院中の数少ない娯楽、トマトジュース。

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後編へ続く!